ハラスメントの実態

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2018年の調査では、なんと4割の介護ヘルパーがセクハラを受けたと回答。

今でこそ介護職に対するハラスメントが少しづつ話題に上がるようになりましたが、「お年寄りや障害のある人をケアする仕事なのだから、我慢しなくては」「自分にスキがあったのかもしれない」などと思い、声を上げられない現状があるのではないでしょうか、、、。

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セクハラを受けた人は大きなストレスを感じている

アンケート調査から「どのようなセクハラに遭遇したか」を尋ねたところ、「サービス提供上、不必要に個人的な接触をはかる」が53.5%、「性的冗談を繰り返したり、しつこく言う」が52.6%とほぼ同数となっています。

セクハラを受けたことによる自身への影響については、「強いストレスを感じた」「軽いストレスを感じた」を合わせると、89.7%もの人がストレスを感じたと回答しています。

誰かに相談しても変わらないという現実

セクハラを受けて「誰かに相談したか」という質問に対して、79.4%の人が、上司(45.8%)や職場の同僚(42.1%)に相談しています。

しかし48.5%の人が相談しても「変わらない」と答えています。

事業所や同僚に相談しても「しかたがない」「あなたにもスキがあったんじゃないか」などといわれ、なんの対応もされず、泣き寝入りした方も多いのではないでしょうか。

事業所の上司に「セクハラはよくない」という認識があるかどうかによって、対応は大きく変わります。

また、利用者から「もう来なくていい」といわれると、経営に関わってくることもあり、消極的な対応をする事業所もあります。

介護現場では当たり前のように起こるパワハラ

セクハラを受けた人が40.1%だったのに対して、パワハラを受けたことのある人は94.2%もあり、圧倒的に多い数字となっています。

「どのようなパワハラに遭遇したか」という質問に対して、もっとも多いのが「攻撃的な態度で大声を出す」(61.4%)次いで「『○○さんはやってくれた』等他者を引き合いに出して強要する」(52.4%)と続きます。

こちらに落ち度があれば、怒鳴られてもまだ我慢できますが、利用者の気分次第で怒鳴られることもあり、そういう場合はストレスも倍増します。

ただ、利用者が痛みを伴う病気だったり、認知症だったりすると、そのせいで怒鳴ることもあるので、しかたのない側面もあります。

介護従事者の社会的地位の向上が解決の糸口?

今後、高齢者が増加すると、男性の利用者も増えてくるため、パワハラ、セクハラともに増えていくことが予想されています。

また、ハラスメントが発生している原因として、パワハラ、セクハラともに「生活歴や性格に伴うもの」がもっとも多く、次いで「介護従事者の尊厳が低く見られている」が続いています。

利用者のなかには家政婦のように扱う人もいます。

これは、給料が安い、仕事がきつい、人手不足などといったメディアの報道によりマイナスイメージが強くなった結果だといえるでしょう。

こうしたイメージが払拭されれば、利用者の態度も変わってくるのではないでしょうか。

パワハラ、セクハラは個人の尊厳を踏みにじるものであることを介護従事者も含め、事業者、社会、国に至るまで認識していく必要があると思います。

 

ハラスメントを放置することは介護職員の離職にもつながります。

事業所でできる対応としては、、、

「契約書に『ヘルパーがハラスメントを受けた場合、サービスを終了することもある』と明記する」

「契約の前に『できるサービス・できないサービス』を説明する」

「管理職や上長の教育が必要」

「お客様至上主義をなくす」

「事業所が毅然とした態度を取る」

「介護職の心のケアを行う」

「二人体制の必要性」

これらでしょうか。

当社でも、ハラスメントに向き合い、ヘルパーさんの地位向上に向けた取り組みをしていきたいと思います!