○コミュニケーションとは何か
介護の現場でも利用者、関係者、社内での上司と部下の関係と、様々な場面でコミュニケーションは大切で、スキルを身につける必要があるといわれています。
私自身「コミュニケーションとは何か」深く考える機会がなく、なんとなくわかっているという状態でした。
國貞克則先生の「現場のドラッカー」より
ドラッカーは「同じ事実を違ったように見ていることを互いに知ること自体が、コミュニケーションである」といった本質を突いたことを言います。
しかし、ドラッカー自身は「もしかするとわれわれは、コミュニケーションを完全に理解することはできないかもしれない」とした上で、「すでにわれわれはコミュニケーションについて四つのことを知っている」と言います。
- コミュニケーションは知覚である。
- コミュニケーションは期待である。
- コミュニケーションは要求である。
- コミュニケーションと情報は異なる。
1番目の「コミュニケーションは知覚である」。例えば「お会いできて光栄です」という言葉が本当に何を意味するかは、言葉だけではわかりません。
しゃべり方や眼つきや態度、さらには置かれた状況やそれまでの背景によって、その意味は大きく異なります。
さらに「知覚である」というもう一つの意味は、コミュニケーションは受け手が理解して初めて成り立つということです。
受け手が理解できなければ、それは送り手が音を立てているということに過ぎず、コミュニケーションが成り立っているということにはならないのです。
2番目の「コミュニケーションは期待である」というのは、人は基本的に自分が期待していることしか聞かないということです。
人は期待していることしか聞こうとしません。
ですから、部下とコミュニケーションを取ろうと思えば、まず部下が何を期待しているかを知らなければならないのです。
3番目の「コミュニケーションは要求である」というのは、一般的に上司から部下へのコミュニケーションは、部下に対して行動変容や考え方の変容を要求します。
しかし、人は自分の価値観や欲求や目的と合致しないものは簡単に受け入れません。
そういう意味では、まず部下がどういう価値観、どういう欲求、どういう目的を持っているかを理解しなければコミュニケーションは進んでいかないのです。
1番目~3番目に共通していることは、コミュニケーションは受け手が主役だということです。
したがって、上司と部下のコミュニケーションは基本的に下から上です。
部下のことがわかっていなければ、適切な指導もアドバイスもできるはずがありません。
4番目の「コミュニケーションと情報は異なる」というのは「コミュニケーションは知覚と深く関わるが、情報は理論と結びついている」ということです。
コミュニケーションは全体を全体として見て、本質を理解しなくてはなりません。
一方で情報は、感情や価値観や期待などといった人間的な要素と切り離されていればいるほど、情報としての信頼性と有効性が高まるのです。
ドラッカーは、上司と部下がコミュニケーションを取る場合、上司が聞く耳を持つだけでは不十分であり、「両者に共通する何かに焦点を当てなくてはいけない」と言います。
だからこそ、共通の役割、共通の目的、共通の成果といったものに焦点を当てる、自己目標管理における上司と部下のコミュニケーションは極めて有効なのです。
コミュニケーションとは送り手が主役ではなく、受け手が主役という認識が大切。
さらに相手の価値観、欲求、目的を持っているか知る必要がある。
自分自身を振り返ると、おおいに自分中心的なコミュニケーションを取っていたか気づかされます。
「現場のドラッカー」
この内容は「上司と部下」とのコミュニケーションに言及した内容ですが、介護現場のコミュニケーションにも活かされる内容だと思います。
「利用者を知る」それが基本にあることで、より良いコミュニケーションが取れ、訪問介護計画の目標に、利用者、支援者が共通意識で向かっていくことができるのでしょうね。
コミュニケーションの奥深さ、社内でも向き合っていきたいと考えています!